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The Goddess Of Tears~Daybreak~:ギゼルドルート

2007年06月06日 02:20

フトした事から巡り会って、一気にはまってしまった、【The Goddess Of Tears~Daybreak~】。
ホントに面白いです。ストーリーも深いし、スチル、音楽が綺麗。
キャラも魅力的な上、ボイス付。ボイスもそれぞれのキャラクターに合っていて素敵です。
ツボな会話も多くて、イベント中にウケる事度々でした。
…そして久々に徹夜クリアを敢行してしまったという…。
そのうち別頁に攻略日記も載るでしょう(笑)
あの価格でこのクオリティを出せるのかと感動しました。

…で。ただ今、陸深は女神ネタがすごく廻ってるので、暫く此処にちょこちょこSSが増えるかも知れませんが、ご存じの方はお気軽にどうぞ。
※ネタバレ考慮しておりません。ご注意を。

§【月光~ギゼルドルート:第1戦目後より】


 深更。
 西の離宮の最上階に設えられた聖女の部屋の室内には、深閑とした空気が漂っていた。
 数刻前、侍女の手によって寝台の脇に灯された燭台の明かりと、窓から射し込む静謐な月光だけが辺りを照らし、蝋燭の燻る僅かな音が静寂に落ちる。
 そんな中、月明かりと朧な燭台の火を受けながら寝台に横たわる少女は、傍らで静かに見守る者の存在にも気づかず、滾々と眠り続けていた。
 生来色白ではあったが、普段ならば薔薇色に色づいている筈のフィリアの頬は、今は血の気を失って蒼ざめ、雪のように白く見える。
 薄闇に浮かび上がるその横貌は、目鼻立ちが整っているが故に、まるで精巧な陶器人形のようだった。

「………」

 知らず、フィリアへと指を伸ばしかけたギゼルドは、その指先が彼女の頬に触れる寸前、はっと我に返った様子で手を止めると、憮然とした表情でそのまま腕を引いた。

 …どうかしている。
 フィリアがそこにいることを ――― 彼女の躰温を、確かめたくなるなど。
 
 ギゼルドは小さく息を吐くと、ゆっくりと腰掛けている椅子の背に躰を預ける。いつの間にか肩も背も酷く強張っていたらしく、たったそれだけの動きにも、凝り固まった躰が鈍い痛みを訴える。
 そこで漸くギゼルドは、ヴァルス砦より引き上げてきてからまともに休息を取っていない事を思い出した。
 ヴァルス砦から王城に帰り着いた時には既に深夜だったが、戻るとすぐに必要最低限の事後処理に取りかからなければならなかった。だが、それが終わると普段ならば明日に備えて休む処が、気が付くとこちらに足が向いていた。
 それから既に一刻余り ――― とうに日は移っていたが、一向にフィリアが目覚める気配は無く、ギゼルドはまんじりともせず、独り、此処で時を過ごしている。

 神官と侍医の見立てによれば、フィリアは癒しの力の行使で気を消耗し過ぎただけで、身体的には何ら大事は無いという事だった。
 充分な休息を取れば回復するというのなら、後は彼女付きの侍女と護衛のアスタードに任せても問題はないだろう。

 そう、自分がこうしてついてなどいなくとも、いずれフィリアが気が付く事は解っている。そして、自分が此処に居た所で何が出来る訳でも無いという事も。
 それなのに何故、フィリアの傍を離れる事が出来ないのか ――― ギゼルドは先ほどから自身の感情を量りかねていた。
 自らの心の奥に蟠るものが、たとえ“聖女”としての役割とはいえ、戦の経験など皆無の少女を血生臭い戦場に連れ出した事に対する謝罪の気持なのか、護ると言いながらそれを果たせず、倒れるまで無理を強いてしまった事への負い目なのか。
 ………それとも。


「…フィリア」


 早く、目を覚ませ。
 ギゼルドは胸の裡で呟く。
 そうして目覚めた彼女がいつものように真っ直ぐに自分を見、この名を呼んだなら、胸の裡に巣喰うこの不可解な感情も消え去るに違いない。


 ギゼルドは静かに、眠る少女の横貌を見つめる。
 その澄んだ空色の瞳が再び開かれる、その瞬間を待ちながら ―――… 。



【FIN】
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